【第19回】株式投資を始める人へ|まずは「株を持つ練習」から始めよう

株式投資の初心者が投資信託、仮想ポートフォリオ、個別株へ段階的に進む流れを示したアイキャッチ画像 投資の考え方

株式投資を始めてみたい。

そう思っても、最初の一歩は意外と難しいものです。

証券口座を作る。

NISAを使う。

投資信託を積み立てる。

個別株を買う。

情報はいくらでもあります。

でも、私が今もし初心者に勧めるなら、最初から大きなお金で個別株を買う必要はない、と言います。

むしろ、

投資信託を少額で積み立てながら、個別株はしばらく仮想で持ってみる。

そのくらいから始めてもいいと思っています。

まずは投資信託で「市場にいる」感覚を持つ

投資をまったく経験したことがないなら、最初は投資信託の積立でもいいと思います。

毎月数万円ずつ積み立てる。

上がる月もある。

下がる月もある。

まずは、

「自分のお金が市場の中で動く」

という感覚に慣れることです。

ただ、投資信託も何となく買うのではなく、中身を見た方がいいと思います。

目論見書や月報を見ると、その投資信託がどんな方針で運用され、どんな企業や資産を組み入れているのかが分かります。

米国株の投信なら、どんな企業が上位に入っているのか。

日本株なら、どの業種が多いのか。

そういうところを見るだけでも、投資信託が単なる金融商品ではなく、たくさんの企業の集合体だということが分かってきます。

手数料も重要です。

特に初心者のうちは、私はあまりコストの高い商品は勧めません。

手数料が高い商品がすべて悪いわけではありません。

ただ、長く持つほどコストは積み重なります。

最初は、

中身が分かりやすく、コストも低いもの

から始める方がいいと思います。

最初から投資信託か個別株か、どちらか一方に決める必要もありません。

それぞれ役割が違うので、

市場に慣れるための投信

と、

会社を見る練習としての個別株

くらいに分けて考えると分かりやすいと思います。

騰新積立と個別株の使い分け

個別株は、まず100万円の「仮想ポートフォリオ」を作ってみる

個別株をやってみたいなら、いきなり買わなくても構いません。

たとえば、

「100万円あったら、どの会社を何株買うか」

を考えてみます。

私は1パターンだけではなく、A、B、Cと3パターンくらい作ってみるのも面白いと思います。

たとえば、

Aは大型・安定型。

Bは成長期待型。

Cは割安・高配当型。

それぞれ2銘柄ずつなら、6銘柄見ることができます。

銀行、商社、自動車、通信、半導体、医薬品。

業界を少しずつ変えておけば、自然と見るニュースの幅も広がります。

銀行株を見れば金利が気になる。

商社株なら資源価格や為替。

自動車なら海外景気や関税。

半導体ならAI投資や設備投資。

つまり、

株の勉強をしているつもりが、世の中の勉強にもなっていく。

ここが個別株の面白さだと思います。

売買ゲームにはしない

この仮想運用で大事なのは、短期売買の練習をしないことです。

昨日買った。

今日上がった。

では売ろう。

そういうシミュレーションではありません。

一度組んだ仮想ポートフォリオを、しばらくそのまま見る。

今日は全体で何%動いたのか。

この会社だけ、なぜ下がったのか。

決算でどう反応したのか。

そういうことを見ていく。

目的は、

儲ける練習ではなく、株を持つ練習

です。

私なら、いきなり大きなお金で個別株を買うのではなく、少しずつ段階を踏みます。

投信で市場に慣れ、仮想ポートフォリオで値動きを見て、最後に少額で実際の株主になる。

そのくらいで十分です。

株を持つ練習3ステップ

PERやPBR、チャートも見る

仮想で持つなら、PERやPBRも見てみるといいと思います。

ただし、

「PERが10倍以下なら安い」

「PBR1倍割れなら買い」

と機械的に覚える必要はありません。

同じPERでも、業界によって意味は違います。

大切なのは、

なぜこの会社はPERが高いのか。

なぜPBRが低いのか。

と考えることです。

チャートも見ます。

でも、明日上がるかどうかを当てるためではありません。

普段どのくらい値動きするのか。

決算でどのくらい動くのか。

市場全体が下がったときに、どのくらい影響を受けるのか。

そういう特徴を見るためです。

最初は、値動きの比較的穏やかな大型株でもいい

実際に個別株を買ってみるなら、初心者のうちは、私は値動きの激しい銘柄を無理に選ばなくてもいいと思っています。

昔から事業を続けている大企業や、いわゆるオールドエコノミーの会社の方が、最初の入り口としては分かりやすい。

もちろん、大企業なら安全というわけではありません。

株価が大きく下がることもあります。

ただ、AIや半導体など、期待が大きく値動きも激しくなりやすい銘柄を最初から持つと、会社を見る前に値動きそのものに疲れてしまうことがあります。

初心者のうちは、

刺激の強い株より、持ち続ける練習ができる株

の方がいいと思います。

高値を勢いだけで追いかけない

もう一つ。

最初から株価が急騰し、最高値圏にある銘柄を、勢いだけで追いかけなくてもいいと思います。

もちろん、最高値を更新している会社が悪いわけではありません。

強い会社は、そのままさらに上がることもあります。

ただ、初心者のうちは、高値で買った直後に調整が入ると、精神的なダメージを受けやすい。

私なら、一度株価が調整し、その後少し落ち着いてきた会社を見ると思います。

理由は私は株を中長期で持つので、買った高値から急落すると、いくら良い株で回復するにしても時間を要し、気分が悪い期間が長くなってしまうからです。笑

ただし、

「下がったから買う」のではなく、

「良い会社が少し買いやすい価格になったから買う」

という感覚です。

実際に個別株を買うときも、最初から勢いだけで高値を追いかける必要はありません。

私なら、「下がった株」ではなく、良い会社が調整して少し買いやすくなった場面を意識します。

初心者が避けたい買い方/狙い方

もちろん、この形なら必ず上がるという意味ではありません。

大切なのは、値動きだけでなく、その会社を長く持ちたいと思えるかどうかです。

優待株も、株を持つ楽しみの一つ

株主優待も、個別株を持つ楽しみの一つです。

実際に商品やサービスが届くと、

「自分はこの会社の株主なんだな」

という実感が出ます。

ただ、優待だけを理由に、聞いたこともない小さな会社を買うのは、私はあまり勧めません。

優待は変更や廃止もあります。

もし選ぶなら、長く優待を続けている会社や、自社商品・自社サービスを株主に還元している会社の方が、まだ理解しやすいと思います。

ただし、優待はあくまでおまけです。

業績や財務、配当、事業内容を見た上で、優待も楽しめる。

くらいがちょうどいいと思います。

生活に必要なお金は入れない

そして、投資は余裕資金でやる。

これはやはり大事です。

半年後に使うお金。

生活費。

近いうちに必要になるお金。

そういう資金まで株に入れない方がいい。

最初は小さく始めれば十分です。

信用取引も、初心者には私は勧めません。

自分のお金の範囲で、まず現物株から始める。

それで十分です。

NISAも同じです。

NISAだから何かを買うのではなく、

自分が買いたいものを、NISAという制度の中で持つ。

そのくらいに考えた方がいいと思っています。

最後は、少額でも実際に株主になってみる

仮想運用をしばらくやってみて、

「やっぱり個別株を持ってみたい」

と思ったら、そこで初めて実際に買ってみればいい。

いきなり大きな金額を入れる必要はありません。

比較的少額で買える銘柄を一つ持ってみる。

実際に自分のお金を入れると、見え方はかなり変わります。

決算が気になる。

ニュースが気になる。

株主通信を読むようになる。

そして配当が入る。

たとえ少額でも、

本当に自分が株主になった

という感覚が出てきます。

最初から儲けなくていいという感覚

株式投資を始めると、

「何を買えば上がるのか」

「どの銘柄が儲かるのか」

が気になります。

でも、私は最初から正解を当てなくてもいいと思っています。

最初に身につけたいのは、

市場に慣れること。

値動きに慣れること。

会社を見る習慣をつけること。

そして、

自分がどのくらいの値動きなら耐えられるのかを知ること。

株式投資で最初に身につけるべきなのは、

銘柄を当てる力より、市場から退場しない力。

私はそう思っています。

奥野以道

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