【株式投資を始めよう・第3章】株はどこで買える?|証券会社と証券口座の基本

株式投資を始めよう!第3章「株はどこで買える?」証券会社を通じた株式購入の仕組みを紹介するイラスト 株式投資を始めよう!

はじめに|株を買うにも、時代は変わった

株式投資を始めようと思ったとき、まず必要になるのが「証券口座」です。株式を購入するには、基本的に証券会社に口座を開設する必要があります。

ところで、昔は株式を買うのも今ほど簡単ではありませんでした。

聞いた話ですが、昭和の時代には、大企業のお昼休みになると証券会社の営業マンが訪れ、株式情報やおすすめ銘柄を紹介するチラシを配りながら、社員に営業していたこともあったそうです。

今ではちょっと想像しにくい光景ですね(笑)。

当時は証券会社の窓口や電話で株式を注文することが一般的でしたが、私が投資を始めた2000年頃には、インターネット取引が広がり始めていました。

それから四半世紀以上。

今ではスマートフォン一つで株価を調べ、企業情報を確認し、株式を購入できる時代になりました。今回は、そんな株式投資の入口となる証券会社について説明していきます。

昭和の証券マンと現代のスマホ取引について示したイメージ図

証券会社とは、何をするところ?

例えば、トヨタ自動車の株式を買いたいと思ったとします。

だからといって、トヨタの販売店へ行っても株式は買えません。私たちは、証券会社を通じて株式を購入します。

証券会社は投資家から注文を受け、証券取引所などを通じて売買を成立させる役割を担っています。つまり、証券会社は投資家と株式市場をつなぐ窓口なのです。

投資家・証券会社・証券取引所の関係図

銀行と証券会社は何が違う?

簡単に言えば、銀行はお金を預けたり借りたりするところ、証券会社は株式などの金融商品を売買するところです。

銀行預金は、一定の範囲で預金保険制度によって保護されています。一方、証券会社で購入する株式には、元本保証がありません。

現在では銀行でも投資信託などを購入できますが、銀行で購入したからといって投資商品が安全になるわけではありません。

また、窓口で金融商品を購入する場合には、手数料にも注意したいところです。何を買うのかだけでなく、いくらの費用がかかるのか。この視点は、投資を続けるうえで大切だと思います。

ネット証券と対面証券、どちらがいい?

私がこれから株式投資を始める方におすすめしたいのは、ネット証券です。

最大の理由は、売買手数料を安く抑えられることです。現在では、条件を満たせば国内株式の売買手数料が無料になるネット証券もあります。

一方、野村證券や大和証券などの大手対面証券では、店舗で担当者を通して注文する場合、比較的高い手数料がかかります。もちろん、こうした証券会社でもインターネット取引はできます。しかし、ネット注文だからといって、ネット専業系と同じ手数料になるわけではありません。

実際の違いを、次の図で比較してみましょう。

現代のネット証券のメリットについて説明した図

株価が上昇するかどうかは、誰にも分かりません。しかし、売買手数料は自分で選ぶことができます。

私は、投資を始めたばかりの人にとって、最初の取引で利益が出るかどうかが、その後も投資を続ける意欲に影響すると思っています。だからこそ、余計なコストはできるだけ小さくしてほしいのです。

営業担当者に相談すれば、投資成績は良くなる?

対面証券には、担当者に相談できるというメリットがあります。しかし、私は、アドバイスを受けたからといって投資成績が良くなるとは限らないと考えています。金融商品を販売する会社にとって手数料収入の大きい商品が、投資家にとって最適な商品とは限りません。

もちろん、すべての営業担当者が手数料を優先しているという意味ではありません。ただ、金融商品を販売する側と購入する側の利益は、必ずしも一致しないということを知っておく必要があります。

私は個別株を中心に、自分で銘柄を選び、売買を判断しています。そのため、証券会社の営業担当者に頼る必要性をあまり感じていません。

奥野以道がおすすめする証券会社

では、初心者はどの証券会社を選べばよいのでしょうか。

私がおすすめするのは、SBI証券と楽天証券の2社です。どちらも所定の条件を満たせば、国内株式の売買手数料が無料になります。

また、大手ネット証券として個別株だけでなく投資信託などの取扱商品や情報サービスも充実しています。将来、個別株以外の投資に興味を持ったときにも、選択肢が広いのは便利でしょう。

もちろん、この2社以外にも優れた証券会社はあります。

しかし、初心者が最初に証券口座を開設するのであれば、私はこの2社を第一候補にしてよいと思います。

証券口座は、一つあれば十分?

私は、初心者のうちは一つで十分だと考えています。複数の口座を持てば、システム障害への備えになったり、各社の情報サービスを使い分けられたりするメリットがあります。

しかし、中長期投資を基本とするのであれば、一刻を争って売買する機会はそれほど多くありません。むしろ、一つの口座に株式をまとめておく方が、資産全体の増減を把握しやすいでしょう。

ちなみに、私自身が長年、株式の購入に利用してきた中心的な証券口座はSBI証券です。

過去には中国株が注目された時期に、ユナイテッドワールド証券で口座を開設したこともありましたが、現在は利用していません。

四半世紀以上にわたって株式投資を続けてきましたが、一つの証券会社を中心に利用することで、特に不自由を感じてきませんでした。大切なのは口座の数ではなく、その口座を使って何に投資するかだと思います。

証券口座とは、どんなもの?

証券口座は、購入した株式や投資信託、売買に利用する資金などを管理するための口座です。

例えば、10万円を入金して8万円分の株式を購入すれば、口座には購入した株式と残りの資金があることになります。

株価が変われば保有株式の評価額も変動し、株式を売却すれば売却代金を次の投資や出金に利用できます。証券口座は、いわば自分の投資資産を管理する場所です。

なお、証券口座には「特定口座」「一般口座」といった税務上の区分があり、別に「NISA口座」という非課税制度を利用するための口座もあります。

これらの具体的な違いは、後の章で説明します。

証券会社が倒産したら、預けた株はどうなる?

初めて証券口座を開設する人の中には、こんな心配をする方もいるかもしれません。

「証券会社が倒産したら、預けた株式やお金はなくなってしまうの?」

実は、日本には顧客の資産を守るための仕組みがあります。それが「分別管理」という制度です。

証券会社は、顧客から預かった資産と自社の資産を分けて管理することが法律で義務付けられています。そのため、適切に分別管理されていれば、証券会社が倒産しても、顧客の資産は原則として返還されます。

さらに、万一、証券会社が分別管理を適切に行わず、顧客の資産を返還できない場合には、日本投資者保護基金による補償制度があります。

対象となる顧客について、一人当たり最大1,000万円まで補償する仕組みです。

ここで誤解してはいけないのは、1,000万円を超える株式を保有してはいけないという意味ではないことです。

適切に分別管理されている資産は、1,000万円を超えていても原則として返還されます。

ただし、この制度は株価の値下がりによる損失を補償するものではありません。証券会社の倒産リスクと、株式そのものの値下がりリスクは別のものなのです。

投資された株式の分別管理の仕組みと日本投資者保護基金についての説明図

おわりに|証券会社は、投資のための道具

今回は、株式を購入するための証券会社と証券口座について説明してきました。

昔は証券マンが営業に訪れ、電話で株式を注文していた時代もありました。それが今では、スマートフォン一つで株式を売買でき、条件によっては手数料もかからない時代になりました。

便利になったものです。

ただし、忘れてはいけないことがあります。

証券会社は、投資で利益を出してくれる場所ではありません。あくまで、私たちが株式投資をするための道具です。

どの会社の株式を買うのか、いつ買うのか、いくら投資するのか。最終的に判断するのは自分自身です。

初心者の方には、まず使いやすく、手数料の安い証券会社を一つ選んでいただきたいと思います。

そして、次はいよいよ証券口座の開設です。

どんな書類が必要なのか、どの口座を選べばよいのか?次の章で、具体的に説明していきましょう。

次回:第4章「証券口座を開設してみよう」

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