【第15回】株価は毎日見る。でも気にしすぎない|長期投資で市場に居続けるための習慣

投資の考え方

私は、保有している株の値動きを携帯アプリでほぼ毎日確認しています。

ただし、ずっと画面に張り付いているわけではありません。

私はサラリーマンですから、東京市場が朝9時に始まって15時30分に終わるまで、株価を眺め続けることなどできません。

仕事の合間、席を外したときなどに、携帯アプリを開いてざっと見る。

その程度です。

そして、私がまず見るのは、

「今日は何円儲かったか、何円損したか」ではありません。

見るのは、基本的に変化率(%)です。

株価は動いて当然だと思っている

株価は、毎日動きます。

というより、市場が開いている間は需給によって刻々と変化します。

好業績の会社だからといって、毎日上がり続けるわけではありません。

上がりすぎれば、利益確定の売りも出る。

逆に下がりすぎれば、割安だと考える買いも入る。

冷静に考えれば、当たり前のことです。

ところが、自分のお金がかかると、この当たり前を忘れがちになります。

株価が上がることは簡単に受け入れられる。

しかし下がることは、なかなか受け入れられない。

人間には、自分の財産が減ることを嫌う自己防衛本能のようなものがあるのかもしれません。

私は「円」ではなく「%」で見る

長期投資を続けていると、運用資産が増えていくことがあります。

そのとき、値動きを金額で見る癖がついていると、かなり苦しくなります。

例えば1%の下落でも、

100万円なら1万円。

1,000万円なら10万円。

1億円なら100万円。

同じ1%なのに、資産が大きくなるほど金額は大きくなります。

だから私は、できるだけ早い段階から、

「今日は何万円減った」ではなく「今日は何%動いた」

と見る習慣をつけた方がいいと思っています。

株式投資を長く続けて資産が大きくなれば、1日の変動額も自然と大きくなります。

そのたびに、

「今日は給料何か月分が消えた」

などと考えていたら、精神的に持ちません。

1%下がったなら、

「今日は1%下がった」

それだけです。

個別株が3%以上動いたら、理由を確認する

もちろん、何も考えず株価を眺めているわけでもありません。

私の場合、個別銘柄が一日に3%を超えるような動きをしていたら、

「何かあったのかな?」

と確認することがあります。

決算発表なのか。

業績修正なのか。

増配や自社株買いなのか。

不祥事なのか。

業界全体のニュースなのか。

あるいは単に市場全体が大きく動いているだけなのか。

私が知りたいのは、値動きそのものより、その理由です。

だから、株価を見るのは売るためではありません。

保有している会社が、

「今日も健全なのか」

を確認しているだけです。

私は保有株を、時々「子供たち」と呼びます。

日々の株価確認も、

子供たちが今日も元気にしているかを見守る

くらいの感覚です。

市場全体が下がっているなら、必要以上に怖がらない

暴落になると、%で見ても気分の悪い数字になります。

そういう日は当然あります。

ただ、その下落が会社固有の問題ではなく、市場全体が弱気になっているだけなら、私はあまり慌てません。

そもそも自分が、

「長く持ってもいい会社だ」

と思って買っていることが前提です。

会社自体に問題がないのであれば、市場全体の下落によって株価が安くなっていることは、むしろ買い増しの機会になることもあります。

もちろん、底値がどこかは分かりません。

それでも、

「下がったから怖い」

だけではなく、

「なぜ下がっているのか」

を考えることが重要だと思います。

値下がりに耐える力は、資産が小さいうちから身につける

私は、株式投資を長く続けるためには、ある程度の値動きへの耐性が必要だと思っています。

株価は上がる。

そして下がる。

暴落もある。

それでも市場に残る。

こうした経験は、頭で理解するだけでは十分ではありません。

実際に自分のお金が動くことで、少しずつ身体で覚えていくものだと思います。

資産が小さいときなら、1%下がっても金額はそれほど大きくありません。

その段階から、

「こういう日もある」

という感覚を身につけていく。

そして資産が大きくなっても、同じように%で見る。

私は、この習慣がかなり大切だと思っています。

資産形成で重要なのは、お金を増やすことだけではありません。

増えた資産の値動きに、自分自身が耐えられるようになること。

これも必要な能力です。

株価は毎日見る、でも気にしすぎないの説明画像

私が米国株や為替をあまり大きくやらない理由

私は日本株を中心に投資しています。

その理由の一つは、意外に単純です。

日本市場が閉まれば、その日の株価は基本的に動かないからです。

米国株なら、日本時間の夜に市場が動きます。

為替なら、ほぼ一日中動いています。

ベッドに入ってから、

「今どうなっているかな」

と気になってしまう。

運用額や運用割合が大きければ、なおさらでしょう。

私は、それがあまり好きではありません。

仕事が終わった頃には、日本市場も終わっている。

夜になれば株価を気にせず過ごせる。

これは私にとって、長期投資を続ける上で意外に重要なことです。

投資対象を選ぶときには、期待リターンだけでなく、

自分が精神的に無理なく付き合える市場か

という視点があってもいいと思います。

株価を見ることと、株価に振り回されることは違う

私は毎日株価を見ます。

でも、毎日の値動きで売買するわけではありません。

この二つは、似ているようで違います。

株価を確認する。

異常な動きがあれば理由を調べる。

会社に問題がなければ、そのまま見守る。

それだけです。

値下がりの日は、もちろん気分が良くありません。

でも人生と同じで、良い日もあれば悪い日もあります。

その会社に成長力がある。

財務が堅実である。

外部環境の変化を乗り越えられる力もある。

そう信じられる会社なら、一日一日の株価に振り回されても仕方ありません。

市場に居続けることも、投資の技術

株式投資では、銘柄選びや決算分析の方法がよく語られます。

もちろん、それも重要です。

しかし私は、

市場に居続けられる自分を作ること

も同じくらい大切だと思っています。

値動きを金額ではなく%で見る。

大きく動いたら、その理由を確認する。

市場全体の下落と会社固有の問題を分けて考える。

そして、株価が下がること自体を必要以上に恐れない。

こうした小さな習慣の積み重ねが、長期投資を続ける力になるのではないでしょうか。

株価は毎日見る。

でも、気にしすぎない。

私にとっては、それくらいの距離感がちょうどいいのです。

奥野以道

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