株価が暴落したとき、私は何を考えるのか
株式投資をしていれば、株価の下落から逃れることはできません。
1%下がる日もあれば、3%下がる日もある。
時には5%、10%と急落することもあります。
そんなとき、
「売った方がいいのではないか」
「もっと下がるのではないか」
と不安になるのは当然だと思います。
ただ、私は株価が急落したからといって、すぐに売ることはほとんどありません。
まず考えるのは、
「なぜ下がったのか」
です。
そしてもう一つ、
「その原因は回復可能なのか」
を考えます。
私にとって暴落への対処は、株価そのものを見ることより、この二つを考えることから始まります。
私は「20%の含み益」を一つの目標にしている
私は個別株を買うとき、最終的には20%以上の含み益になることを期待して銘柄を選んでいます。
もちろん、買った株がすべて20%上がるわけではありません。
半年かかる株もあります。
何年もかかる株もあります。
結局そこまで届かない株もあります。
それでも、なぜ20%なのか。
一つの理由は、
株価が通常の一日の値動きだけで20%下落することは、それほど頻繁にはない
と考えているからです。
20%程度の含み益があれば、多少相場が荒れても心理的な余裕があります。
例えば株価が5%下がっても、まだ15%の含み益が残っています。
10%下落しても、まだ買値を上回っている。
つまり含み益は、単なる利益ではなく、
下落相場に耐えるためのクッション
でもあるのです。
下落率によって、私は見るものを変える
私は頻繁に売り買いをしませんが、それでも毎日数回株価のチェックを携帯でやっています。良いニュースならともかく、変なニュースが出ていないかのチェックも兼ねています。
これは厳密なルールではありませんが、私はだいたい次のような感覚で株価の「下落率」を見ています。
0~3%程度の下落
このくらいなら、特別なニュースがなくても起こり得ます。
需給。
利益確定売り。
指数の下落。
海外市場の影響。
特に理由らしい理由がなくても、株はそれくらい動くものだと思っています。
したがって、この程度の下落なら、私はそれほど気にしません。
3~5%程度の下落
ここまで下がると、必ずその会社のニュースを確認します。
決算が出たのか。
業績予想が修正されたのか。
業界全体に何かあったのか。
政治家の発言なのか。
海外市場の影響なのか。
まず、
個別企業の問題なのか、それとも外部環境の問題なのか
を切り分けます。
5%を超える下落
ここまで来ると、
「何か比較的大きなショックが入っているな」
と考えます。
ただし、それでも私はすぐには売りません。
そもそも、自分では良い会社を選んで買っているつもりだからです。
ニュースを確認し、翌日の動きも見る。
場合によっては数日間様子を見る。
株価というものは不思議なもので、前日に大きく売られた株が翌日いきなり戻すこともあります。
だから、
「5%下がったから売る」
というような機械的な判断はしません。
大切なのは「回復可能性」
では、どんな下落なら持ち続けるのか。
私は、
その原因が回復可能かどうか
をかなり重視しています。
例えば、市況の悪化で株価が下がったとします。
原材料価格。
金利。
為替。
景気後退。
資源価格。
こうした外部環境は、永遠に同じ状態が続くわけではありません。
企業そのものに競争力が残っているのであれば、
「いずれ環境は変わるだろう」
と割り切って待つことができます。
一方で、私がかなり警戒するのが企業そのものの問題です。
例えば重大なコンプライアンス問題が発覚した。
しかも、それが単発的な事故というより、
「この会社の組織体質に問題があるのではないか」
と思わせるような内容だった場合です。
そういう会社は、一度問題が収束しても、二度、三度と同じことが起こる可能性があります。
その度に信用を失い、株価が下落する。
そう考えると、私は含み損であろうが、含み益であろうが、売却を検討します。
株価が下がったことそのものが問題なのではありません。
株価を回復させる力が、その会社に残っているのか。
そこを見るのです。
ビジネスモデルそのものが壊れるなら話は別
外部環境による下落と似ているようで違うのが、
ビジネスモデルそのものへの脅威
です。
例えば新しい技術が出て、その会社の商品そのものが必要なくなる。
規制が変わり、従来の商売が成り立たなくなる。
消費者の行動が大きく変化する。
こういう場合は、
「市況が戻れば株価も戻る」
とは言えません。
企業が今まで稼いできた仕組みそのものが壊れる可能性があるからです。
その場合には、私は売却も視野に入れます。
要するに、
一時的な逆風なのか、構造的な変化なのか。
ここを間違えないようにします。
コロナショックでは、株どころではなかった
2020年のコロナショックは、少し特殊な経験でした。
感染が世界中に広がり始めた当初は、
「株価がどうなるか」
という問題より、
「これは人類そのものにとって相当大きなリスクなのではないか」
と感じました。
自分自身や家族の生命にまで関わる可能性がある。
そんな状況でした。
あのとき私は、株価が下がっているからといって積極的に売る気にはなりませんでした。
なぜなら、売ったところで、その資金で別の何かを買いたいわけでもなかったからです。
世界中の株が下がっている。
先が見えない。
ならば、
静かに見ているしかない。
そう考えました。
変な言い方ですが、売らなければ損失は確定しません。
もちろん含み損も立派な損失ですから、これは「損をしていない」という意味ではありません。
ただ、企業そのものが壊れたわけではなく、人類全体を襲ったショックで株価が下がったのであれば、時間はかかっても回復する会社は多いだろうと考えました。
実際、こういう局面で大切なのは、
株価ではなく企業を見ること
だと思っています。
暴落時ほど「煽り記事」を見すぎない
市場が大きく下がると、ニュースやSNSには刺激的な言葉が増えます。
「歴史的大暴落」
「まだ半値になる」
「○○ショックの再来」
「今すぐ逃げろ」
こういう言葉を見ると、不安になります。
人間ですから当然です。
でも、こうした情報ばかりを見ていると、
自分で考える前に恐怖に支配されます。
そして、
「とりあえず売った方がいいのではないか」
となる。
私は、これが株式市場に長く居続けるうえで一番危ないことの一つだと思っています。
私はもともと、そう簡単に株を売るタイプではありません。
だからこそ大きな下落が起きたときには、
何が起きているのか。
企業への影響はどこまでなのか。
一時的なのか。
構造的なのか。
回復可能なのか。
これを自分の頭で考えるようにしています。
以前このブログで、
「相場を当てるのではなく、相場に対処する」
と書きました。
暴落時こそ、その姿勢が大切だと思っています。
暴落時に買うことはある
では、大きく下落したときに株を買うのか。
これはあります。
特に、
「以前から欲しかったけれど、少し高いと思って買わなかった会社」
が市場全体の暴落につられて下がっているのであれば、買うことがあります。
企業そのものには何も問題がない。
それなのに市場全体が下がったことで安くなっている。
これは長期投資家にとって魅力的です。
ただし、すでに保有している株については、簡単には買い増しません。
自分が相当自信を持っている会社でなければ、追加投資は慎重にします。
株価が下がると、
「安くなった」
と思いがちです。
しかし、
安くなったことと、割安になったことは同じではありません。
業績そのものが悪化しているのであれば、株価が下がったのは当然かもしれません。
だから、下落そのものを買いの理由にはしません。
暴落時に一番怖いのは、信用取引だと思う
私の場合、急落したから慌てて売るということはほとんどありません。
むしろ買う側になることがあります。
ただし、この行動ができる大きな理由の一つは、
信用取引をしていないこと
だと思っています。
現物株なら、株価が下落しても、自分で売らない限り保有を続けることができます。
しかし信用取引には期限や保証金、追証などがあります。
大きな下落が続いたときに、
「そのうち戻るだろう」
と考えてポジションを抱え続けると、自分の意思とは関係なく状況が悪化する可能性があります。
私は過去に信用取引で追証を経験しました。
だから、大きなショックが起きたときほど、
借金をして株を持っている怖さ
を感じます。
暴落を耐えるには、精神力より先に、
耐えられるポジションであること
が重要なのだと思います。
暴落に備えて現金を残すべき……なのですが
理想論を言えば、
暴落に備えて一定の現金を持っておくべき
だと思います。
株式に下落はつきものです。
せっかく欲しかった優良企業が大幅に安くなったとき、
現金があれば買えます。
暴落は、長期的には絶好の買い場になることがあります。
だから私も頭では、
「現金を残しておいた方がいい」
と分かっています。
ただし、ここで私には大きな問題があります。
私は、
株が好きなのです(笑)。
現金が証券口座にある。
良さそうな会社を見つける。
「100株くらいならいいかな」
と思う。
買う。
また現金が減る。
そして基本的に買った株を売らない。
これを繰り返すので、いざ本当の暴落が来たときには、
「あれ、現金がない」
となることがあります。
これは投資家として改善すべきところだと思っています(笑)。
それでも、借金してまでは買わない
現金がなくなったところへ暴落が来る。
欲しかった株が大幅に下がっている。
それでも私は、
借金や信用取引を使ってまで買うことはしません。
そこは諦めます。
「今回はそういう運命だった」
と思うことにしています。
株式市場には、これからもチャンスがあります。
今回買えなかったからといって、投資人生が終わるわけではありません。
無理をして一度大きく失敗する方が怖い。
私は、そう考えています。
だから暴落時の現金について聞かれたら、私の答えはこうなります。
理想は、現金を残しておくべき。
でも、
株好きは往々にして使ってしまう(笑)。
そして現金がなくなったら、無理をしない。
これが今の私の現実です。
暴落で見るべきものは、株価ではなく「理由」
株価が5%下がった。
10%下がった。
市場全体が暴落した。
そういう数字を見ると、どうしても人間は不安になります。
でも私は、下落率そのものより、
なぜ下がったのか。
その原因は回復可能なのか。
この二つを見るようにしています。
市場全体のショックなら、企業が健全である限り待つ。
一時的な市況悪化なら、時間を味方につける。
企業文化そのものに問題があるなら、売却を考える。
ビジネスモデルが壊れそうなら、もっと慎重に考える。
欲しかった優良企業まで巻き込まれて下がっているなら、買うこともある。
しかし現金がなければ、無理をしない。
暴落を正確に予測することは、私にはできません。
でも、
暴落したときに自分がどう行動するかは、あらかじめ決めておくことができます。
それが、株式市場から退場せずに長く居続けるために大切なことなのではないかと思っています。
奥野以道

